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看護師の給与について

どうもオットです!
とうとう次期総理大臣が決定しましたね!

それ知ってるワン!
岸田文雄さんだワン!

おお!リンタロウはよく知ってるね
偉いぞ!

もっと褒めるワン!

ところで、この岸田文雄さんは総裁選の時にこんなこと言ってたね。

どんなことワン?

「介護士・看護師・保育士の方々の給与は国が決められるわけですから率先して引き上げることが大事」

なんだってワン!?
じゃあオットとヨメの給料が上がって僕に最高級フードを買ってくれるようになるワン!?

そうなればいいよね!

でも・・・たぶん現実にはそう簡単に行かないと思うよ?


どういうことワン?
オットは給料が上がることがうれしくないのかワン?

給料が上がることは素直にうれしいよ?
でも、給料を上げると言う事はそれなりにリスクもあると言う事なんだよ・・・

ちょっとわからないワン・・・
詳しく教えてほしいワン!

じゃあ今回はちょっと難しくなるかもだけど看護師の給与(給料)について少しお話しするよ!

看護師の社会的地位

それではまず給料のお話の前に看護師の社会的地位のお話をします。

皆さんは看護師の社会的地位って高いほうだと思いますか?それとも低いと思いますか?

給料たくさんもらってるし高いほうでしょ?

確かに給与面から見ると恐らくの中の上あたりだと思います。

ですが、社会全体から見ると決して高いわけではありません。

その理由は様々ですが、代表的なものとしては・・・

  • 女性社会であったこと→これに関してはこちらの記事で少し触れているのでもしよければ見てください「看護師」
  • 労働評価が得られづらい

労働評価が得られづらいというのはどういうことか?

皆さん病院の評判ってどのようなものですか?

恐らく・・・

「あそこの病院の〇〇先生とても腕がいいらしいよ」とか「〇〇病院はやぶ医者ばかりだ」とか「〇〇病院はとてもいい医者が集まってるらしいよ」

などなど基本的には医師の評価によって病院の評判と言うものは決まってしまいます

逆に「あそこの病院の〇〇看護師は腕がいいとか」「〇〇病院の看護師は優秀揃いだから受診した方がいいよ」なんて言いませんよね?

これが看護師の社会的地位の向上を妨げている大きな要因となっています。

皆さん社会的地位の高い人と言えば、「高学歴」「高収入」「社長」「教授」などなど・・・

こんな感じの人たちを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?

社会的地位の高い人と言うのはどれだけ社会に貢献したのかと言うのではなくどれだけ社会に認知されたかが重要になります

そのため、看護師と言う仕事は表舞台に立つことがとても難しいのです。

ではこれをふまえて給与のお話をしたいと思います。

看護師の給与アップを妨げる要因① 評価基準があいまい

皆さんお仕事されているの中で給与を上げたい際はどのような努力をされますか?

恐らく・・・

  1. ノルマ達成またはノルマ以上の事を行う。
  2. 仕事の効率化を図りより多くの仕事をこなせるよう努力する。
  3. 現在の仕事に必要なスキル習得のために数多くの資格を取得する。
  4. 給与の高い別の職場へ転職する

こんな感じかなと思います!

3については看護師にもあって、例えば、認定看護師・専門看護師・診療看護師などがそれにあたります。

もちろん上記の三つは給料にも反映されるので給与アップとなります。

ですが、これすべて一旦仕事を辞めるか、休職しないと取得できない資格になります。

認定看護師に関しては、各病院が資格取得にかかる金額を補助してくれたり、その間の給与の何%かを支給してくれる病院もありますが、その間の給与が下がってしまう事の方が多いと思います。またいざ、認定看護師になっても大きく給与アップすることはない上に、資格維持のために色々な取り組みや、学会への参加が必須となってきます。こう言ったことが給与とその後の労力が釣り合わないと言う事で取得しない看護師も多いと思います。また、上司や病院から打診を受けることもありますが、自身でこの認定看護師を取得したいと進言しても希望が通らないこともよくあることです。病院としては自分の病院にプラスになるような種類の認定看護師にしか補助しないという所も多い印象があります。

専門看護師や診療看護師は認定看護師と違い、大学院への進学が必要となるため、認定看護師よりも長期間職場を離れる必要が出てきます。

前述の通り看護師は女性が多い職業ですのでこういったキャリアップを目指そうとしても、家庭があったり、今後の出産のことなどを考えると踏み出せないという方が大勢います。

じゃあ他にも資格はないのかと言えばそうではありません。

例えば、糖尿病療養指導士・内視鏡技師・手術看護実践指導看護師などなど・・・

色々あったりし、上記の三つに比べると取得しやす側面はあるものの、こう言った資格が直接的に給与に影響することはほとんどありません。ですが、仕事内容に影響はしますので、どうしても、仕事内容が増えてしまいます。

では1や2のように成果を上げていけばいいのではないか?

では、看護師にとって客観的に仕事内容の評価って出来ると思いますか?

正直難しいというのが現状です。

「看護」と言うのは患者さんに対して療養上の世話や医師の診療の補助を行う事が仕事となります。

例えば一人の患者さんにすごく感謝されるような看護を行ったとします。そこで使用したパンフレットが看護師の中でとても好評だたので、院内でも使っていこうと言う事になりました。

この人の功績って何だと思いますか?

患者さんに感謝されたこと?

わかりやすいパンフレットを作成したこと?

どちらも?

これって評価があいまいだと思いませんか?

だって今回の看護はこの患者さんには評価されたけど、他の患者さんではそうはならないかもしれませんし、パンフレットに対しても、この人のために作ったのであって、病院側から指示されて作ったわけではないですよね。

しかもこのパンフレットが良かったのかを評価するのは医療者ではなく実際にそれを読んで理解して実行する患者さんですよね?

少なくともこのパンフレットが良かったと評価をするためには、多くの患者さんからアンケートを貰うなどして客観的に表現しないといけません。そこでやっと評価されることになります

これをするにはさらなる労力と手間がかかります。病気によっては一年や二年で何とかなるものではないと思います。

「看護」と言うのはとても評価が難しいのです。

看護師の給与アップを妨げる要因②昇給しにくい

看護師にも毎年昇給はあります。昇給の度合いは病院によってまちまちですが、毎年大体数千円アップかと思います。もちろん昇給のない病院もあるみたいですが・・・。

ですが看護師の給与アップはほとんどがこの毎年の昇給のみです。

それはその人の能力が低いからでしょ?昇給してもらえるだけいいんじゃない?

そう思われる方もいらっしゃるとは思います。

例えば、窓際族って聞いたことありませんか?

サラリーマンで、仕事が出来なく窓際に一人ぽつんとデスクを置かれて、雑用されている社員や職員のことですが、看護師にもそういった方は少なからずいらっしゃいます。

看護師の資格は持っているのに看護師の仕事ではなく事務業をしている方もいらっしゃいますが、もちろん実際は看護師として就職されているので看護師としての給与をもらっています。

給料は年々増えていくのでもちろん後輩看護師よりも給与はいいということになります。

看護師は「看護師」なので降格と言うのはないんです。もちろん仕事ができないという理由で「解雇」はできませんから、そういった無難な仕事をして医療事故を起こさないように見張ると言う事になります。

私は看護師以外の仕事をアルバイト以外でしたことはないので、よくわかりませんが、こういった方はどこの職種でもいると思います。ですが看護師の場合病院で看護師として働いているので、こういった方が一人いると、すごく目につきやすいんです。

「この人いつも看護師の服着てるのに看護してなくない?」とか「あの人には点滴とか患者さんに触れ合うような仕事は頼んじゃいけないよ」とか

すごく有名になります。

もちろんこの人自身は一生懸命働いているのだと思いますが、同じ看護師が看護をしているの中で、そういった人を見てるとあの年齢ならこれくらい給料と言うのが嫌でもわかってくるんですよね。

これはモチベーションを下げる大きな要因となってしまいます。

ならその人より偉くなればいい

と思われると思います。

その通り!

ですが、看護師の役職はそれほど多くありません。

代表的なものは・・・

  • 看護部長(1人)←ゴール
  • 副看護部長(約2~4人)
  • 看護師長(部署毎に1人)
  • 副看護師長(部署毎に2~3人程度)
  • 主任(部署毎に2~3人程度)

病院によって違いますが大体こんな感じです。

もちろんこの職種に付けば昇給できます。

ではどうやったらなることが出来るのか?

簡単に言うと上司に気に入られているかどうかです!

前述していますが、看護師には評価基準があいまいです。

なので、上司(上から3つの人たち)の主観的評価が主になります。

もちろん上がしっかりしていればしっかりした人が昇進していくのでいいのですが、上司が上の窓際族みたいな人であれば・・・(;´・ω・)

まあこれも、他の企業と同じだと思いますが・・・。

他の企業と違うのは看護師は病院の最高責任者には絶対になれないと言う事ですね!

看護師の給与アップを妨げる要因③離職率が高い

看護師は離職率が高いです。

理由は色々ありますが看護師で多いのが結婚・出産・配偶者の転勤だと思います。

離職後看護師に復帰しない人多いのですがそのことについてはこちらで少し触れているので気になる方はどうぞ・・・→コロナワクチン接種時の潜在看護師の協力要請について思う事

もちろん離職すると今まで積み重ねてきた昇給はリセットされます。もちろん復職の際に就職活動で経験考慮と書かれてはいますが、これは病院によってはまちまちです。考慮と書かれているのにほぼほぼ考慮されていないと言う事もあります。

大きく3つの要因を上げましたが、この三つで気づくことはありませんか?

それは病院自体が(医療全体)で看護師と言う職種を評価していないと言う事です。もちろん病院も好きで評価していないわけではありません。

ですが!今の世の中で看護師の社会的地位を上げてしまうと恐らく小さな病院は倒産するリスクが軍と上がる可能性が高いのです。

もし看護師の給与今まで以上に上がってしまうと・・・

近年の新型コロナウイルスの騒動もあり少しずつ社会的地位を上げてきていると思われる看護師。

そのおかげで、岸田首相が総裁選時に冒頭で出たような言葉が出てきたのだと思います。

ですが、看護師の給与を上げてしまうとどうなってしまうのか・・・

実はこれに関してはこちらの記事で軽く述べています。こちらを見ていただければこの下の事がわかりやすくなるのではないかなと思うので良ければ目を通してみてください→ええ!?転職するの!?ほんとに!?

上記リンクの給料のところで書いてありますが、病院内で一番多い労働者が看護師になります。

そして病院が一番給与を支払っているのも看護師になります。

例えば、看護師一人の給与がひと月当たり1万円アップになったとします。

単純計算で年間12万円の昇給になります。

看護師300人が務めている病院があったっとすると、この病院が毎年看護師に与えていた給料の総額は実に3600万円もアップと言う事になります。

これはボーナスの時の加算を抜いているので実際はもう少し多いのではないかと思います。

一年だけならまだしもこれが毎年続いていきます。

病院としても医師の評価は病院の評判ですが、看護師の評価は病院の評判に大きく左右されることは稀なので(医療事故などは除いて)病院側に看護師の給与アップのメリットってそんなになかったりします。

一応病院の看護師配置の基準として看護師一人に対して患者7人だったり10人だったりと言う決まりがあって、それを守っている病院には国から補助金が下りるという制度がありますが、昨今の看護師不足で守られている病院は少なくありません。なので中小規模の病院は看護師の給与が上がるととても経営的に圧迫されるのです。特に地方の病院は看護師も集まりにくいですし、求人を出しても看護師の配置基準に収まることはない。

じゃあこうなるとどうなっていくのか・・・

  • 求人をストップする
  • ボーナスをカットする
  • 業務縮小する
  • 倒産する

こう言った事になっていく可能性があります。

これは母体が医療法人である老人ホームなどで働く介護士も同様です。

もちろんこれらは最悪の可能性であって、今後国がしっかりと整備していけばこういうことはならないはずです。

ですが!何かの給与を上げると言う事はどこが負担すると言う事です。

それは病院かもしれませんし、国かもしれない。

給与が上がるのはとてもうれしいことです。

正直看護師の給与は命を預かる職業であるのに業務における内容責任と比べると少ない給与だと思います。

ですが簡単に給与を上げられる職業でもなかったりします。

岸田首相はこういった背景も踏まえてあのような発言をしたのであれば問題ないのですが・・・

それでは今回はこれで終わります!

面白くないお話でしたがいかがでしたか?(;´・ω・)

せっかく緊急事態宣言も明けたので近場でもいいのでまた外出したいな・・・。

そういった記事も書いていこうと思います!

それではまた!

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投稿者

nursefufu.0506@gmail.com

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2021年9月20日