
せん妄について
どうもオットです!今回は医療用語の説明を行います!
難しい話は嫌だワン・・・
まあ・・・そういわず聞いてよ!
今回は「せん妄」についてお話しするよ!
リンタロウは聞いたことある?
うーん・・・全く聞いたことないワン。
せん妄って言うのはね、簡単に言うと意識障害だね。
意識がなくなるのかワン!?
意識がなくなることはないよ?
もともと普通だった人が突然
・自分がどこにいるかわからなくなる。
・今が何月何日かわからなくなる。
・どこかボーっとしている。
・入院中であれば安静できなくなくて突然起き上がったり、
点滴の針を抜いてしまったり・・・
このような症状が出ることがあるよ。
何かとても大変な感じがするワン・・・
そうだね。
でも大抵の人は一時的なもので元に戻ることがほとんどだよ!
それはよかったワン!
でも中には戻らずそのまま認知症に移行したり、認知症が進行してしまう人もいるんだ
それは大変ワン!
うん・・・。
もともと認知症とせん妄は全く違うものだけど、実はその二つには大きく関連しているものでもあるんだ。
今回はこの「せん妄」の原因や予防法も踏まえてお話していくね!
せん妄

早速ですが皆様は上記のようなせん妄と言う症状になったことはありますか?
若い方であればほとんどないかもしれませんがきっと近い経験はあるかもしれません。
例えば・・・
あなたは多忙の中久しぶりに休暇が取れ旅行へ行きました。
とても気持ちのいいところでよく楽しんだ後旅館につきます。夕食後普段の疲れと旅の疲れもあり布団の上で寝てしまいした。
ふと夜中に目が覚めたので水を飲もうと起き上がると「あれ?ここどこだ?家じゃなかったっけ?」と思います。ですがすぐに「ああそうだ!今日は旅行に来てたんだ!」と気づきます。
こんな経験ありませんか?実はこれはせん妄の一歩手前みたいなものです。若い人であれば、すぐに上記のようにすぐに場所を思い出してそこに適応できます。
ですが高齢者になるとこの適応能力が大幅に低下しているため、場所の理解が出来なく、自身がどこにいるのかいつまでも理解できなくなります。
もちろん若い方でも睡眠薬だったり、精神科のお薬などを服用している方や病気などで適応力が低下してこのような方はこのような症状がおこることもあります。
想像してく見てください。
あなたが目を覚ました時、そこはいつもと違う場所、体にはわからないチューブ(点滴)が腕についている。変な音が聞こえる(モニターの心電図の音)。
怖くなりませんか?
普通であれば家に帰りたくて起き上がって逃げたくなります。わけのわからない薬が入ってるかもしれないので点滴を抜くかもしれない。周りに知っている人はいなくてとても不安で怖いですよね・・・。
これがせん妄の実態です。
ではどんな人になりやすいのか・・・?
上記でもありましたが、これは圧倒的に高齢者です。
認知症の方はもちろんですが、認知症が無くても、せん妄は起こります。
ですが基本的にこの「せん妄」は自宅で起こることはありません。
じゃあどこで起こるのか、突然環境が変わった場所です。
この中でも最も多いのが病院です。
なぜ病院に多いのか・・・。
それは病気になっているからです!
まあ病気にならないと普通は入院なんてしないですよね ^^:
皆様も入院中のご両親や祖父母・叔父叔母など入院前はまともだったのに、お見舞いに行ったときにわけのわからないことを言ってたと言うような経験はありませんか?
それは間違いなくせん妄になっています。
ですが上記にありますが大抵の場合は「せん妄」は改善されます。きっかけは様々ですが、退院したり、日中のリズムがつくようになったり、外を見るようになったり・・・。様々なことで改善されることがあります。
ですが、改善されない場合もあります。
それがもともと「認知症を持っている方」
こう言った方はせん妄が改善せず認知症が進行する場合もあります。
ご経験ありませんか?
「うちのおじいちゃん(おばあちゃん)入院してぼけてしまったの・・・」
これは入院による環境の変化でせん妄になりその後改善されることなく帰宅した可能性があります。(もちろん病気の種類によっては病気が原因となることがあります。脳卒中などはその代表的な例です)
うちの祖父母は認知症なんてなかったという方もいるかもしれませんが、ごくごく初期の認知症であれば気づくことなく入院し認知症が悪化することだってあります。
認知症がなかったのではなく認知症に気づかなかった可能性がかなり高いとお考え下さい。

予防法
ではこのせん妄を予防するためにはどのようなことをすればいいのか・・・。
答えは簡単です。
急に環境を変えないこと
これに尽きます
「突然緊急入院って言われたらそんなこと無理だよ!」
その通りですね。正直この場合はどうしようもありません。入院が必要であれば、まずは病気を治すことを優先すべきだと思います。
ただ本当にそれが入院が必要であればです!
どういうこと?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
入院には色々な理由があります。良いことから悪いことも
- 検査の結果治療が必要と判断された場合
- 本人や家族が入院させてほしいといった場合(社会的入院)
- 入院の必要はないかもしれないが、担当医師が不安な場合
- 病院的に入院させたほうが収入につながるから
思いつく限りでもこのようなものがあります。
下の二つに関しては正直病院側の問題であるので、患者側は防ぎようがありませんが、こういう病院もあると言う事はご理解ください。
必要のない入院を防ぐためには症状にあった医師や病院を選ぶことが最も重要です。医師の専門などについては以前ブログを書いているのでこちらをご覧ください→医師の専門について
今回問題にしたいのは2番目です。
基本的にこのような場合患者さんやその家族が抱くのが「不安」です
もちろん症状があって病院に来ているのですから、悪くならないか、不安でしょうし、病院にいればすぐに対応してくれるので安心できると思います。時にはそのような入院も必要だと思います。
ですが、入院によるデメリットもしっかりと理解して入院をしてください。
基本的に医師は目の前の患者がせん妄のリスクが高いか低いかは理解しています。
ですが、「入院したらせん妄になるよ」「認知症が進行して退院後介護が大変になるかもしれないよ」というようなことを言わない医者がほとんどです。
だって、こんなこと言われたらどう思われますか?
感じ悪いですよね?(笑)
だって辛くて不安で病院に来て入院させてほしいと言ってるのに、こんなこと言われたら、入院させたくないって言われてるようなものですから。
医師も看護師も患者とトラブルになるのは嫌なのでほとんどこういうことは言わないんです。
ですがもちろん言われる医者もいます。
ですがその医者は至極まっとうなことを言っていますし、正直そういう医者の方が信用してもいいと思います。
想像してみてください。
あなたは東京在住の地方出身のサラリーマン。
父は最近認知症と診断されたが、軽い物忘れ程度で身の回りのことはほとんど自分でできる状態。母は持病があり、やや体が弱いものの比較的元気である。両親は地方で二人暮らし。
ある日母から、「父さんが朝から下痢が止まらなくて今救急外来に受診している。医師は点滴したら整腸剤を出して帰っていいと言っているが、家で私一人で見れるか不安。倒れても一人で支えることが出来ないし、入院させてもいい?お医者さんは入院は絶対ダメとは言わないけど入院すると、父さんの場合認知症が進むかもしれないって言われたの。」と相談された。
あなたはどう答えますか?

正直答えなんて出ないですよね?
ですが私は入院はお勧めしませんし、両親にもそう伝えます。
理由は簡単です。
退院後の介護が大変になる可能性があるからです。
もちろん認知症が進まず退院するかもしれません。ですが、もし進行したら?
その介護をするのはこの場合お母さんですよね?もともと体が弱いのにそういったことが出来るのかと言う話になってきます。自分は仕事があるので帰れない。
そうなると老人ホームなどの施設に預けるようになってしまいます。
もちろんお金のこともありますし、それは父親はどう思うのかですよね?認知症のため判断力や理解力も悪くなっていますし状況の理解はできないかもしれない。でも、普通なら出来ることなら家にいたいですよね?突然知らない施設に入れられてしまう。そこで認知症がまた進んでしまい。もはや家族の顔も思い出せなくなることだってあります。
倫理的な問題なので答えがあるというわけではありませんが、こういった将来は医療職だけでなく入院する本人・家族も考えていく必要があると思います。
極端な話ですが必要のない入院は今後の本人の人生だけでなく家族の人生も大きく変えることがあると言う事を念頭に置いていただければと思います。
では今回はこのへんで!