オットブログ / 医療 / 看護師・医療者向け

医療事故と看護師②

どうもオットです!
今回は前回のブログの続きでインシデントレポートについてお話します!

前回ヒヤリ・ハット事例の場合インシデントレポートの記載が義務付けられていると言う事をお話ししましたが、これは看護師だけではなく、病院で働くすべてのスタッフに義務付けられているものです。

医師・薬剤師・放射線技師・検査技師・理学療法士・作業療法士・言語療法士・看護補助員・医療事務などなど…

書いていくときりがないですが、こういった医療職でもインシデントが起きた際は報告書の提出が必要です。

では職種別でどれくらいのレポート提出があると思いますか?

「やっぱり責任の重い医師が多いんじゃないの?」

こう思われる方が多いかもしれませんが実際は・・・

自治医科大学付属病院ホームページより抜粋

これは自治医科大学附属病院のHPよりお借りしているものではありますが、ほとんどどこの病院も割合的に同じです。

そうです。インシデントの8割を看護師が占めているのです。

研修医も含め医師はたったの8%です。

※コメディカルとは医師・看護師以外の医療従事者を指します。

「え!?看護師ボーっとしすぎじゃないの?大丈夫?」とか「医者って思ったよりもこういった事例少ないんだね」

と思われた方もいるかもしれませんが、実際はそうではないのです。

その理由はインシデントレポートについてもう少し深くお話しする必要があります。

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インシレントレポート

医療でのインシデントレポートは様々な場面で記入されます。前回のブログでお話ししたような未然に防いだ事例のほかにも、実際に起きた医療事故(死亡事故も含めて)や事件もこの中に含まれています。

例えば、最近では患者の点滴に空気を入れたり、致死量の薬を混ぜたりした事件がありましたが、これもインシデントレポートとして、誰かが作成をしています。

このように軽微な事から大事件にかけてインシデントレポートは日々どかの病院で提出されていきます。この日本の病院では必ず毎日医療者の誰かがインシデントレポートを書いています。(もちろんオットも書いたことがあります。)

では、看護師はどういった事をインシデントレポートに記載しているのでしょうか?

ここでは代表的なものを3つほど上げさせていただきます。

  1. 肺炎で入院している高齢者。認知症の診断は無し。発熱もありふらふらしている状態。医師よりベッド上安静の指示があり、トイレの際はナースコールを押すように患者に説明をしていた。夜間大きな音がしたので見に行くとベッドの下で腹臥位(うつ伏せ)になって倒れていた。「声かけるとトイレに行こうと思ってこけてしまった。」すぐに当直医師に報告し骨折もなさそうと言う事で経過観察となった。
  2. 点滴加療(治療)中の患者。認知症あり。朝の点滴をするために訪室すると点滴が患者の腕から抜けており、患者本人に確認すると、「よくわからないものが手についていたから抜いた」と発言。再度点滴を取り直し、医師に報告。
  3. 日常生活動作は問題なく、明日退院予定の患者。夜間見回りの際に病室にいないため、病棟内を探し回るが発見できず、当直師長へ報告病院内を探し回っていると、患者が帰室。本人に聞くと「退屈なので病院の目の前にあるコンビニ行っていた」と発言。

この3例は結構多い事例です。

「え!?こんな事例でも書かないといけないの?看護師の責任じゃなくない?」

いいえ。これは看護師の責任なんです。

理由は・・・

  • 看護師が医療従事者の中で一番患者と接する機会が長い(患者の情報を把握しやすい)
  • 夜間の医療従事者は看護師しか病棟にはいないことがほとんど
  • 看護師の仕事は療養中の患者の日常生活の援助や指導だから

こう言った理由があるからです。

そしてこういったインシデントは日常茶飯事です。1の事例は最悪して骨折することもあります。(これもよくあります)

医師の場合はこういった事例ではインシデントを書くことはありません。

コメディカルも同様です。

基本的にインシデントレポートは自身の目の前に患者がいて、そこで起きた出来事について書くものなので、患者と接する看護師の報告が多くなることは当たり前なのです(`・ω・´)

また、このインシデントレポートは記載して終了と言うわけではありません。

記載後は病棟や該当部署(必要時は病院全体)のスタッフで

「なぜこういったインシデントが起きたのか」

「どのようにすれば未然に事故が防げたのか」

「今後事故が起こらないように部署全体でどのような取り組みをしていくか」

こう言った話し合いをしなければなりません。

同じような事例があれば何度もそのインシデントがなくなるまでします。

これに対して皆さんはどう思いますか?

  • 結局患者自身が気を付けないといけない部分もあるし、看護師だけで話しても無駄
  • こう言った話し合いでインシデントの数が減るのであればやっていくべき

このような意見が出るかもしれませんね。

ただこの報告書や話し合いは業務時間内で出来ることはほとんどありません。基本的に時間外で集まって話し合いをし、終わった後に当日の業務の残りをする・・・なんて病院が多いと思います。

インシデントレポート自体は病院の運営には必要なことですし、医療従事者が安全な医療を提供すると言う意味ではとても重要ですが、

他の病院間でこのインシデントレポートに対しての意見交換をすることはありません(プライバシーの観点から)。

なので他の病院ではどのような取り組みをしているのかが見えにくいんです。

もちろん重大なインシデントの場合は看護協会などが事例をあげたりしていますが、実際必要なのは些細なインシデントに対する対応なのです。

同じ病院内で同じような事故が起きて同じような話し合いになる

これが多いのが現実なんです。

また人間なのでミスをするのは当たり前ですし、仕方のないことではあります。

もちろん仕方ないで済むものではありませんが、人間でいる限りは誰かはミスをします。

そしてこのインシデントレポートの提出が看護師の業務の負担になっていることは明白の事実です。

だって未然に防いでも発見者であれば書かないといけないのですから。

ちょっと愚痴っぽくなってしまいましたが、いかがでしたか?

色々な意見もあると思います。

良ければコメントなどで感想を教えていただけると幸いです。

それでは今回はこれで!

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投稿者

nursefufu.0506@gmail.com

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2022年9月4日