
潰瘍性大腸炎
どうもオットです!
今回から数回は病気の話をしようかなと思います!
ちょっと難しい話もあるかもしれないですが、出来るだけわかりやすく砕いてお話します!
と言う事で!
今回はタイトルの病気のお話をします!
皆様は「潰瘍性大腸炎」ってご存じですか?
恐らくここ数カ月テレビとかで聞いたこともあるんじゃないかと思います。
それは、安部元首相が罹患(罹っている)している病気だからです!
安倍元首相が辞職に至った理由もこの病気が原因ですね(;´・ω・)
ではこの潰瘍性大腸炎と言う病気はどのような病気でしょうか・・・
潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は日本では難病指定されている、病気で難病と名前の通り、完治の難しい病気です。
この「完治」と言う言葉は恐らく医療者と一般の方では少し捉え方がかわります。
医療者でいう完治とは、薬物などの継続した治療を行いながらも発症前と同等の生活が出来ることを完治と言う事があります。
ですが、一般の方で言う完治はお薬や定期通院せずに以前と同様の健康的な生活が出来ることを想像されると思います。
このように一つの言葉でも一般の方と専門の方との間では捉え方って大きく違いますので、皆様もできるだけ一つ一つの言葉を自身の価値観だけで解釈せずに、多角的にとらえてみてくださいね(^^)
話がそれましたが、この病気は治るのか・・・?
答えを言うと「NO」となります。
この病気は基本的には「治す」ことはできません。
ですが、色々な方法で症状を抑えたり、出さなくするようにすることは可能です。
ではなぜこの病気が治らないのかと言うとこの病気が「自己免疫疾患」と呼ばれる病気だからです。
「自己免疫疾患てなに?」と思われた方も多いかなと思います。
簡単に言うと・・・
自己免疫疾患とは免疫機能が自分自身の体を攻撃する病気です
「自分自身の体を攻撃・・・?」
例えば、アレルギーは皆さんもご存じだと思います。
現代人のほとんどの方が何かしらのアレルギーを持っていると言われていますが、その代表的なものが花粉症がありますね(^^)
花粉症の方はきっと春先やこの秋は大変だと思います。
花粉症はその名の通り、植物の花粉が体内(特に鼻・のどなど)に侵入した際に、免疫機能がウイルスや細菌などと勘違いし、花粉をやっつけようと、その部分を中心に炎症を起こす状態を言います。
この炎症については次回お話しします!
自己免疫疾患と言うのは、自分の体の一部分を敵とみなして攻撃を始めて炎症を起こす病気のことを言います。
潰瘍性大腸炎の場合はこの「敵」が「大腸」となります。
花粉症の場合は体内から花粉を除去できれば炎症は改善されますが、自己免疫疾患の場合は自身の体に対してこうした免疫反応が起こっているため、そのままにしても炎症反応が収まることはないと言われています。
正直とても恐い病気ですよね。
ですが、この「潰瘍性大腸炎」と言う病気は日本で年々罹患者(発症者)が増えているとされています。
原因は・・・実ははっきりしていないです(´;ω;`)
医療界の見解では、食生活の欧米化(肉中心の生活)やストレス社会・遺伝などが挙げられていますが、しっかりとこれだと言う原因は判明してません。

症状
最も多いのが持続する下痢と血便や腹痛・発熱です。これがひどくなったり、マシになったりとが交互におきます。
恐らく最初は食中毒くらいにしか思わないと思います。
ですが、食中毒と違って基本的に症状は長期化するので、何週間も続くと言う場合は注意が必要です。
診断を下すには、大腸カメラなどで、腸の状態を観察し、細胞検査などを行うことで、確定診断に至ります。
因みに炎症が起きている腸はどんな状態かご存じですか?
名前の通り潰瘍があったりするのですが、潰瘍ってどんなものかご存じでしょうか?
ほんとの画像はあまりにも衝撃的かなと思うので、載せることはしませんが・・・皆さんは口内炎になったことはありますか?
痛いですよね・・・(´;ω;`)
白いのがぽつっと・・・食べ物が当たっただけで痛い・・・。

あれは口に潰瘍ができている状態です。あの白いものが大腸いっぱいにできて赤くただれているような状況です。
想像しただけで痛々しいですよね・・・。
治療
治療法は基本的には薬物療法になります。
薬物療法やそのほかの治療でも改善が難しく、症状が進行していく場合は最終的に手術を行うこともありますが、手術はあくまで最終手段と思ってください。
前述していますが、薬やそのほかの日常生活の改善などで症状を抑えて依然と変わらない生活をされている方もたくさんおられる病気です。
時代が進むにつれて医療のレベルも上がっているので、色々な治療法が出ています。
何科に受診するべきか?

もし、「私は潰瘍性大腸炎かも・・・?」や「潰瘍性大腸炎と診断された」と言う方がいらっしゃられたらまずは「消化器内科」に受診をしてください。出来るだけ消化器外科などの外科系の受診は避けていただいたほうが無難です。
もちろん消化器外科の医師がダメていうわけではありません。
このブログではしつこく書いていますが医師には得手・不得手があります。
薬物治療を得意とするのは、消化器内科です。
消化器外科を受診するのは消化器内科で薬物治療を続けていたが上手くいかず手術を薦められたりしたときに受診してください。
それは消化器外科が手術を得意とするからです。
私がこれを伝えようと思ったのには一つのエピソードがあります。
以前私は、内視鏡室にて勤務をしていたことがありました。
その病院は潰瘍性大腸炎の患者さんもたくさんいらっしゃり、内視鏡で定期的に大腸内の観察を行いながら、薬物治療を頑張っておられました、中には治療の効果があまり期待通りでなく、最終的に手術を行い大腸切除をされた方もいましたが、それはか限られた少数の方で、ほとんどの方は薬物治療で再燃・寛解(症状消失)を繰り返しながらも、普段の生活を続けられていました。
ですが、ある病院では消化器内科の医師がいなく、消化器外科の医師が潰瘍性大腸炎の薬物治療を行っていたのですが、こちらも思い通りの治療が出来ず最終的には手術を行いました。
この話だけ聞くと大きく違いはないと思われると思いますが、実は消化器外科の医師はその人に合った治療をすべて出来ていたかと言うと、とても疑問に思う状況でした。手術自体も、今の腸の状態で本当にいるのかなと思うような状態でもありました。
ですが手術が終わった後その医師は患者と家族にこう言いました。
「今回手術で大腸をすべて取りましたが、今回大腸をすべて取れてよかったと思います。今回手術しなかったとしても、炎症は治まらず、恐らく近いうちに癌になっていたと思います。」
ご本人ご家族もこの医師に「ありがとうございました。」と言っていました。
このブログをはじめから見ていた皆様はこの一連の流れを見てどう思いましたか?
もちろんこの外科医は嘘はついていません。潰瘍性大腸炎の方は大腸がんになるリスクも他の方と比べて格段と上がります(この話についても次回の炎症についてお話します。)し、恐らくこの外科医はこの治療が最良と判断したんでしょう。ですが手術をしたからと言って自己免疫疾患が根本的に治るわけではありません。最悪他の場所に同じような炎症性疾患が現れる可能性だってあります。
皆様はどうですか?
手術しないで済むなら他の治療法をしたいと思いますか?それとも、手術をしてもらいたいですか?
これは皆様の価値観になると思います。
医療は難しいと思います。一般の方が突然病気を宣告されて、「治療法はこれです。」と言われたらそれしかないと信じられると思います。ですが、治療法は一つではありません。また、どの治療法にはメリット・デメリットはあります。
ですが皆様にもそれを知る権利も選ぶ権利もあります。
あなたが病気になった時、または今のその中にある時あなたは今の治療法・病院・医師で満足ですか?
・・・・はい!
と言う事で今回はこれで終わります!
重たい話ですいません(;´・ω・)
次回は外科医が言っていた「炎症は治まらず、恐らく近いうちに癌になっていたと思います。」
と言うセリフを中心に炎症についてお話しできればなと思います!
それではまた!