
治療部門と病棟部門の乖離(看護師あるある)
どうもオットです!
最近寒くなりましたね!
これからぐっと寒くなるので皆様も体調管理には気を付けてくださいね!
ねえ!
聞いてよ!
ヨメがプンプンだワン!
そんなに怒ってどうしたの?
今日ね!手術前の申し送りに病棟の看護師が一緒に来たんだけど、何を聞いても
あ。私連れてきただけなんでわからないです。
しか言わないの!
連れてきただけであっても連れてきたからには最低限の情報は持って来るべきだと思わない!?
あれ?
なんか僕の顔勝手に使われてる気がするワン・・・。
それは確かに困るよね・・・。
でもこれって看護師あるあるだよね・・・。
うん・・・。
あるあるだよね。
正直あれどうにかしてほしいんだけど。
そうだよね・・・。
まあ・・・病棟も忙しいので気持ちはわからないでもないけど・・・。
では!今回はこういう状況について少し話をしようかなと思うよ!
ヨメはプンプンですが医療界(看護師)ではよくあることです。
「それって医療安全的に大丈夫?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、もちろん大丈夫ではありません!(`・ω・´)
なら直していかないといけないのになぜこういったことが続いてるのか・・・
理由は簡単ですね!
人員不足です!
今回はなぜこういったことが起こるのか病棟看護師のような送りに来る看護師と治療部門の看護師のような送りを受ける看護師の視点を交えて話していこうと思います!
そもそも治療前の申し送りとは?

そもそもなぜ治療前に申し送りをしているのか?
簡単に言うと情報共有になります。
具体的にどのような情報共有をしているのかと言うと・・・
- どう言った手術を今日行うのか
- 手術前にどのような薬を投与したり内服して、どのような薬を止めているのか
- アレルギーはあるのか、あるとしたら何なのか
- 既往歴
- 手術の同意書はあるか。サインもしているか(全員)
- 患者が手術を行う上で不安に思っていることなど
などなど・・・
治療に必要な申し送りを行います。
もちろん治療部門の看護師はその申し送りの中で自分が知りたい情報がなければ確認します。
これは患者に安心・安全な医療を提供するために必要な事です。
なので治療部門の看護師はここでわからないと言われると非常に困ります(`・ω・´)
一方病棟看護師にも言い分もあるでしょう。
では、両者の考え方の違いを少し上げてみましょう。
病棟看護師の治療出しの考え方(思っていること)
- 今日の受け持ち患者の中から手術出し・検査出し・処置介助などその日のスケジュールを立てている。もちろん受け持ちが手術出しするのがいいけど、検査とか処置がかぶってしまったらその時に行けないから仕方なくフリーさんに手術出しをお願いしている。
- そもそも手術前のチェックリストや申し送り用紙に基本的に私たちが申し送ることが書いてあるから、それがあればフリーさんが言っても困らないようになっているはず。
- さっき手術を出してくれた同僚に聞いたけどその既往の質問いる?そもそもその情報はカルテに書いてあるし、ちゃんとそっちも情報収集して欲しいな。
まだまだあると思いますが、病棟看護師の言いたいことや考え方はこういう事があると思います。

もちろんその通りですね。急性期病棟なんて一人が一日に受け持つ数は大体10人前後かそれ以上がよくあると思います。どうしても患者のスケジュールはかぶってしまう事もあるだろうし、他の人にお願いすることは合って当然だと思います。
また、多くの病院ではインシデントを減らすために手術チェックリスストや申し送り用紙を作成して禁忌薬の投与防止などのインシデント予防に努めているところがほとんどだと思います。そこにほとんどの情報は書いてあり、それだけあれば「ある程度」の手術であれば申し送りなしでも手術が出来るような完成度であることが多いのかなと思います。
じゃあなぜ治療部門の看護師はそんなわかりきった質問をしてくるのか?
- 単に情報収集してないだけ
- 意地悪な看護師
- その裏にある何かを聞きたい
- 事故防止のためにもう一度確認のために聞いている(ダブルチェック)
上の二つは論外ですが(そういう人がいるのも事実です・・・)、下の二つはどう言う事だと思いますか?
では次は治療部門の看護師の目線で見ていきましょう。
治療部門看護師の患者引き受け時の考え方(思っていること)
- 今日のこの人この術式で手術なんだ。と言う事は薬はこれが必要だか準備しておかないといけないね。あれ?この人の薬のオーダーいつもと違うな・・・何かいつもの薬が使えない理由があるのかな?カルテにも書いてないしどうなんだろう・・・?あとで送りの時にアレルギーとかないのであれば聞いてみようかな。
- この人の手術出しここの病棟か・・・最近ここの病棟チェックリストにはチェック入ってるのに出来てないことが多いから注意して聞かないといけないな。
- このオーダー今日の朝出てるけど、術前に飲むようになってるな・・・。ちゃんと飲んでるか聞かないといけないな。
こんな感じでかなと思います。

こちらの言い分を見るとすれ違いが起きていることがわかりますよね?
治療部門の看護師は別に情報収集をしていないわけではないのです。
治療部門看護師と病棟看護師の大きな違いは患者と接する機会が大いに少ないことです。
これはすごく治療看護師にとってデメリットなんです。
入院時のアナムネもフィジカルアセスメントもできるわけではないですし、病棟でどのように過ごしているかどうかもわからないので、情報収集の材料はカルテしかありません。カルテの内容から患者の行動や病棟看護師の行動を”予想”するしかないのです。
そのため、自分が重要だと思ったことは、それが本当に実行されているのか、間違いないのか再確認しているのです。
なので、もしその質問に病棟の看護師が答えられなかったらとても困るのです。
最悪手術がストップになることもあります。
もう一つ治療部門の看護師の大きな仕事があります。
それが治療を予定通りに進行させることです。
なぜこれが重要になるのか?そしてこれがたぶん病棟看護師と相いれない部分にもなるのかなと思って
います。
治療部門の看護師と病棟看護師の業務の違い
そもそも病棟看護師の業務は今の状況では定時に終わらせることが難しいような人数配置や業務内容になっている病院がほとんどです。
そのため、正直残業が当たり前になっているのが現状です。
では、病棟看護師の主な勤務内容は何か?
基本的には受け持ち患者の日中のスケジュールをこなすことになります。
検査や手術、清拭、医師説明への同席などなど…
これが簡単なもので、受け持ち患者が少なければ早めに帰れるし、そうでなければ残業になります。
もちろん、他の同僚が大変であれば手助けをしないといけないですし、急変があればその対応も必要になってきますが、基本的には自分の業務に専念していればOKなところがあります。
では治療部門の大きな仕事である「治療を予定通りに進行させる」とはどういうことか。
これは治療部門のメリットですが、予定通りに終われば定時に帰宅は可能ですし、その日によって治療の量には差があるので、少ない日は定時で帰れたりします。
正直、定時で帰れるという面だけで見れば病棟よりも多いと思います。
ですが治療は予定通りに進まないことがほとんどです。
それは手術だったり検査は人の手で行われるものなので想定外の事が起きると予定より長くなってしまう事が多々あります。
それは仕方のないところでもありますが、問題は後にも検査や手術があると言う事。
患者は大まかではありますがこの日の何時に手術を行いますと説明を受けています。もちろん患者はその時間まで自室で待機になりますが、手術となると色々不安が出てきますよね。手術までの間その不安と戦いながら自分の時間を待ちます。
なのに治療の時間が遅くなってしまったら・・・?
患者は治療へのプレッシャーを尚感じることになり、最悪、治療やっぱりやめたなんてことにもなるかもしれません。(こういう方は実際にいました。)そういったことになれば主治医は患者へ説得に行きます。その間治療が出来なくなると言う事もあります。
また手術前には何かしらの薬を内服したり、点滴したりしていることがあります。医師も基本的には予定時間を目安に何時ごろに投与とかの指示を出しているかと思います。
ですが、予定通りに始められなかったら・・・?
その薬の効果ってどうなるでしょうか?弱ってしまいますよね。
また予定通りにいかないと、その後に控えている治療に携わる医師やコメディカル、病棟看護師にも多大な迷惑をかけてしまいます。
なので、予定通りに進行させることがとても重要になるのです。どんなに治療の件数が多くても、明らかに定時で終わらないとわかっていても、可能な限り定時で始められるように努力をしています。
最悪治療と治療の間の入れ替えの時間がほとんどないと言う事もあり得ます。そうなるとやはり、患者の取り違えや、情報収集が十分にできない、していたとしてしても、忘れてしまうなんてことになるかもしれません。
これが、治療部門の看護師の一番の大変なところではないかと思います。
ではお互い何が相容れないのでしょうか?

治療部門看護師と病棟部門看護師の相容れない考え。
病棟看護師
- 毎回受け持ちが手術出し出来ると思わないでほしいし、そっちもちゃんと情報収集して欲しい。
- 忙しい時期に治療出しを依頼されても困るのなぜわからないかな?
治療部門看護師
- 病棟が忙しいのははわかるけど、こっちも忙しいよ。もちろん治療だから自分が治療に参加しないときもある。でもその時はたくさんある器具の洗浄物品の整理って言う大事な仕事もある。暇だなんて思わないでほしい。
- こっちは患者や医師に迷惑が掛からないように予定時間や緊急治療に対応できるように配慮しないといけない。そもそも看護記録を当日に全部見るなんてことなんてできない。だから、病棟看護師にも手術に重要な情報は提供して欲しい。

もちろん皆さんがそう思ってるわけじゃないし、すべての病院がこういう状況ではないと思いますが、忙しい病院ほどこういう状況になってることが多いのではないかなと思います。
皆さんの病院ではどうですか?
この記事を読んでお互いの部署の大変なところ、譲歩しないといけないところ。
そういったことが見つかってより良い看護が出来たらいいなと思います。
それでは今回はこれで!
