風邪と抗生物質(抗生剤)について
どうもオットです!前回に続いて医療系のお話をしますね!
今回も難しそうな話ワン・・・
そんなこと言わないで聞いてよ・・・。
できるだけわかりやすいようにするから・・・
仕方ないワン!
聞くワン!
ありがとう!
じゃあ前回のおさらいから行くね!
リンタロウ覚えてる?
細菌とウイルスの違いワン?
覚えてるワン!
細菌は単細胞生物で単体で増殖できて治療は抗生剤が聞くワン!
ウイルスは単体では増殖できなくて治療も対症療法が主だったワン!
そうだったね!
リンタロウ!えらいぞ!
褒められたワン!
もっと褒めるワン!
今回のお題が終わった後でもっと褒めてあげるね!
・・・と言う事で今回は風邪と抗生物質についてお話していこうと思うんだけどリンタロウは風邪って何だと思う?
え・・・?あまり深く考えたことないワン!
風邪っていう病気でお熱が出たり、咳が出たりするやつだワン?
それは半分正解で半分不正解だね
またそのパターンワン・・・。
風邪は病気じゃないワン?
うん!病気だけど、そもそも「風邪」と言う病名はないんだよ?
そうなのかワン!?
うん!じゃあ風邪について説明していくね!
風邪
皆様も一度は風邪をひいたことがあると思います。
じゃあこの風邪って何なんでしょう・・・?
そもそも上記のように「風邪」と言う病名はありません。
風邪とはそもそも「かぜ症候群」と言うものを略して風邪と言っています。
「え?じゃあかぜ症候群が病名なんじゃ・・・?」
じつはそれも違います。
その理由は「症候群」だからです。
症候群ってなんでしょう?
症候群について
「症候群」はわかりやすく言うと特定の色々な症状がまとめて起こっている状態をさします。
風邪でいうと例えば発熱・咳・のどの痛み・下痢・腹痛などなど・・・
そんな色々な症状が同時に起こっている状態です。
「ああ・・・なんか熱があって体もだるい・・・喉も痛いな」
と言うような状況も症候群ですね!
そしてもう一つ重要なことがあります。
それは原因がはっきりしていないことです
「え?風邪ってウイルスや細菌が原因なんじゃないの?」
その通りです!一般的に風邪の原因は細菌やウイルスなどの病原体による感染症です!
ここでいう原因は「そのウイルスや細菌が特定できているか」と言う事なんです。
例えばインフルエンザではあれば検査キットを使ってA型なのかB型なのか特定できますよね?
新型コロナウイルスもPCR検査でそれが「COVID-19」と特定できますよね?
でもこの二つ症状は風邪と似ていると思いませんか?
でも「風邪ひいたよ~」とは言いませんよね?恐らく「インフルエンザになった」などと言うと思います。
これは「原因が特定されているから」なんです!
これが「風邪」と言う病気の実態だよ?
なるほどワン!
風邪は病名じゃなくて一連の症状を言う症候群だったワン!
また、原因菌や原因ウイルスがはっきりしていればそれは風邪とは言わないワンね?
その通りだよ!じゃあ続いて治療について話そうと思うよ!
これも前回の続きだけどウイルスには抗生物質は効かないって言ったは覚えてるよね?あれはなぜだかわかる?
難しいワン・・・
えっと・・・構造が違うからワン?
お!鋭いね!その通りだよ!
細菌とウイルスでは基本的な構造が違うから細菌のために作られた抗生剤は効かないんだ!
ちょっと難しいよね・・・。
うん難しいワン・・・
全部細菌だったらいいのにワン・・・
そしたら抗生剤で全部よくなるのにワン・・・
そうだね・・・
でも抗生剤も万能っていうわけじゃなくて、細菌によっては抗生剤が効かないものもあるんだよ。
え!?抗生剤は細菌に効くのじゃないかワン!?
うん。
厳密には抗生剤に耐性(防御力)をもった細菌がいると言う事だよ。
じゃあそういう菌に感染したらどうするワン?
じっと待つしかないワン?
方法は二つあるよ。
・他の抗生剤を使ってみる
・本人の感染に対する抵抗力に期待する
この二つだね!
抗生剤にもいくつか種類があるワン?
そうだよ!
じゃあちょっと抗生剤についてお話しするね!
抗生物質(抗生剤について)
皆さんは「仁」という漫画(またはドラマ)を見たことがありますか?ある脳外科医がタイムスリップをして、幕末で現代医療を使ってたくさんの命を救うという物語です。
見たことのある方なら「ペニシリン」と言うお薬もご存じですよね?
あれは世界で最初に作られた抗生物質です!(と言っても実際作ったのは日本人ではなくイギリス人です!)
あの物語は創作なので事実ではない部分がありますが(;´・ω・)
とにかくこの抗生物質のおかげで人間の細菌感染による死亡者数大幅に減ったといわれています。この便利なお薬のおかげで、世界の医者も感染が疑われれば「とりあえず抗生物質を処方しよう」と言う流れになっていきました。
そこで生まれたのが「耐性菌」と言うものです。
この「耐性菌」とは何なのか?
耐性菌
細菌は「単細胞生物」と言うお話をしましたが、細菌は「生き物」なんです。
皆様は「生き物」の最大の本能とは何だと思いますか?
そうです!「種の保存」です!簡単に言うと繁殖ですね!
どの生き物にも言えることですが自分がやられそうになったら、何かしらの抵抗をしますよね?
この抗生剤の発明も細菌による死者数を減らすという目的のもと作られたものですから、人の一種の防衛反応と言えると思います。
細菌も同じです。
抗生剤がやってきたために、自身の命の危機が迫ってきているのです。
そこで細菌が行ったことは「自分の形を少し変える」ことです!
形を変えたことで最近はその抗生剤に負けない体になるのです!( ゚Д゚)
これが「耐性菌」です!
この耐性菌をやっつけるために人は色々な抗生剤を開発していきます。
ですがその度に細菌たちは形を変え耐性菌を作っていきます。
そのうち人は抗生剤を作ることが難しくなっていき、細菌は色々な抗生剤に負けない体を作っていきました。こんなパワフルな細菌を「多剤耐性菌」と呼ばれています。
これとても重要なところなんですよね・・・。
要は抗生剤自体作ることがだんだん難しくなっているんです。
簡単に言うとネタ切れです!
その間に多剤耐性菌はどんどん増えています。
そこで現在医療者が行っていることはこの「耐性菌を作らせない」と言う事なんです。
具体的に何をするかと言うと・・・
- 抗生剤でしっかりと体内にいる細菌をやっつける!
- 無暗に抗生剤を処方しない!
以上の2点を主に行っています。
ですが、一般の方の中には「抗生剤最強説」を持っている方はたくさんいらっしゃいます。
「抗生剤を飲んだらすぐよくなったから今回も出してほしい」
「抗生剤を飲まないと風邪は治らない」
こんなことを考えている方はまだたくさんいらっしゃいます。
そりゃあそうですよね。だってその風邪が細菌由来であれば風邪はよくなるんですから(`・ω・´)
でも実際風邪の原因のほとんどはウイルス感染です。
実に8割がウイルス由来と言われています。
じゃあなぜ早く良くなっているのか・・・それは皆様の免疫力が高いからです!
基本的に風邪は「よく寝る」・「水分をよくとる」「無理をしない」以上のことを守れば治っていきます。(※年齢や基礎疾患などによって状態は変わります)
なので現在では風邪で内科受診しても抗生剤を出す医者は少なくなってきていると思います。
「風邪ですねとりあえず抗生剤処方しておきますね」と言われた方も多いと思いますが、今ではあまりこう言うことはないと思います。
中には抗生剤を出してくれない=やぶ医者と思われている方もいらっしゃいますが、これ大きな間違いです。
逆に特別な理由もないのに抗生剤を処方する医者はやぶ医者の可能性があるのでご注意ください。(※すべての医者を否定するものではありません。)
もし抗生剤を処方された場合でも必ずお守りいただきたいことがあります。
それは「処方された抗生剤は必ず飲み切ること」です
実にたくさんの方がされていると思います。
「だって症状なくなったよ?もう飲まなくても大丈夫だと思うよ?」
と思われるかもしれませんが、症状がなくなっても体内に原因の細菌がいなくなったわけではありません。医者は基本的に「この日数抗生剤を飲めば体の中から細菌はいなくなるだろう」と予想して処方しています。なので必ず飲み切ってください。
では飲み切らないとどうなるのか・・・
「耐性菌」を作る最大の原因となります。
これは抗ウイルス薬も同様に言えることです。
なぜ私がこのお話をさせてもらったかがここにあります!
今現在COVID-19(新型コロナウイルス)が流行していますよね?
恐らく今後テレビでおっしゃる通り第2波・第3波と流行の波が出てくるでしょう。それに伴い、恐らく抗ウイルス薬の開発が進み、このウイルスによる死者数は圧倒的に減少するかもしれません。
もしかしたらこの抗ウイルス薬を皆様も飲むかもしれません。
「症状良くなったしもう飲まなくてもいいかな?」「飲むの面倒だな今日はやめとこう・・・。」なんて思っちゃうかもしれません。
でも決して飲むのをやめないでください。(※アレルギー症状など薬剤による副作用が出た場合はこの限りではありませんが、その際は必ず医療機関に受診してください)
もしそれで抗ウイルス薬に耐性ができたウイルスできてしまったら・・・?
皆様がこの数か月努力された行為が無駄になってしまうというようなことになりかねませんよね・・・?
はい!すこし重たい話になりましたが今回は風邪と抗生剤についてお話させていただきました!
もし、おいオット!そこは間違ってるぞ!?と言う事があれば、コメントなどでご指摘いただければ幸いです!
長くなってすいません!今回はこれで終わります!
ありがとうございます!
ありがとうワン!
またよろしくワン!
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